メタロセンを骨格に組み込んだ配位高分子の合成と性質

 メタロセンは、金属の上下にシクロペンタジエニル環が
配位した金属錯体の総称です。これらメタロセンは、高い
酸化還元活性を有し、また二つのシクロペンタジエニル環
が自由に回転をすることが可能であり、構造的に柔軟な分
子ユニットとして、新しい機能性多核錯体の合成に広く利
用されております。

 これまでの研究では多くの場合において、メタロセン中心に鉄を用いた、「フェロセン」が用いられ
てきた一方で、中心金属にコバルトを用いた「コバルトセン」やルテニウムを用いた「ルテノセン」を
用いた同様の研究はあまり行われておりませんでした。

メタロセン

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 当研究室では、これらメタロセンが持つ酸化還元活性に
注目し、これまでフェロセンを用いて、フェロセンジカル
ボン酸と酢酸マンガンからナノメーターサイズのマンガン
13 核錯体の合成に成功しており、この錯体は、酸化還元
活性を有し、6電子が同時に移動するという興味ある知見
を得ております。

マンガン 13 核錯体の構造

 また、コバルトセンやルテノセンは、フェロセンとは全く異なる電位で酸化還元を示すことに注目
し、新しい酸化還元活性や高い酸化還元触媒を示す新規配位高分子の合成を試みています。


 これまでに、コバルトセンジカルボン酸で金属イオンを架橋した高い酸化還元活性を示す高分子固体
の合成に成功しました。

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M. Kondo,* Y. Hayakawa, M. Miyazawa, A. Oyama, K. Unoura, H. Kawaguchi, T. Naito, K. Maeda, F. Uchida,

     Inorg. Chem., 2004, 43, 5801-5803. [DOI: 10.1021/ic049273b]


M. Kondo,* R. Shinagawa, M. Miyazawa, Md. K. Kabir, Y. Irie, T. Horiba, T. Naito, K. Maeda, S. Utsuno, F. Uchida,

      J. Chem. Soc., Dalton Trans., 2003, 515-516. [DOI: 10.1039/B210475J]

  1. 箇条書き項目“A New Redox-Active Coordination Polymer with Cobalticinium Dicarboxylate”

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  1. 箇条書き項目  “A New Nano-scale Ferrocene Assembled Molecule Supported by a Supercubane Framework”