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研究室に入るために必要な条件などはありますか?
無機化学系の講義、特に構造錯体化学と反応錯体化学は必ず、履修しておいてください。研究テーマ、設備、予算
面において、思う存分、研究に没頭できる環境をつくっていますので、ぜひ、やる気に満ちた人に入っていただきた
いと考えています。
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錯体化学(当研究室)の面白さってどんな点ですか?
大きく分けて3点あります。
1つ目は、予想外の構造が生成することが非常に多いことがあげられます。金属イオンは炭素や窒素などに比べ
て、多様な配位形式(結合形式)をとるうえ、電子状態も非常に複雑です。したがって、実際に合成し、構造を決定
してみると、予想もしなかった不思議な構造を取っていることが非常に多く、次々と新しい発見に遭遇することがあ
ります。実際に、実験を行っている学生も含め、アイデアと経験、および偶然を見逃さない注意力によって、これま
で斬新な研究を切り開いて参りました。
2つ目は、新たに合成した化合物が有機化合物や無機化合物にはない特徴的な性質を持っていることがあげられま
す。金属錯体は、金属イオンの電子状態を利用することで、様々な機能分子を設計、合成することが可能です。たと
えば、発色、磁性(磁石としての性質の発現)、電気伝導、触媒活性、などの機能発現には、金属イオンの利用が非
常に有用です。当研究室では、これらの金属イオンを利用することで、新しい機能性金属錯体を実現してきました。
3つ目は、当研究室の特徴でもありますが、内容が異なる複数の研究テーマを平行して進めており、これらの研究
における個々の発見と知見を組み合わせることにより、新たな発見とノウハウを築いてきた点があります。多くの研
究を身近に見聞し、議論を重ねることで、自分の研究に生きてくる点が当研究室の強みでもあると考えております。